このセグンデーオ、ないし、ハラーオという呼ばれるテクニックは、「バンドーラの王」との異名を持つ、バリーナスの演奏家、アンセルモ・ロペス(1934-)によって創造されたものである。アンセルモは、忘却の危機に見舞われていたバンドーラに命を吹き込み、脚光を浴びせた。その演奏スタイルは、伝統的なバンドーラ・ジャネーラの流派、アンセルモ派Escuela Anselmeraとして、現在にまで受け継がれている。セグンデーオは、バンドーラ・ジャネーラのみに用いられるものであり、弾かれた音の持続性が乏しくすぐに減衰してしまう、ナイロン弦単弦のバンドーラ・ジャネーラにとっては、大変有効な工夫である。具体的には、ピックでメロディーを弾き、その音符と音符の隙間に、(ピックを摘んだままの)人差し指ないし中指で、そのメロディーが弾かれているよりも高い弦の音を挿入するというものである。アンセルモ以前、譜例AとBのように弾かれていたものが、譜例Cのように弾かれるようになった。
Foto / http://elparroquianoaldiacultura.blogspot.jp/2014/06/con-exito-inicia-gira-del-maestro.html
▲:ピックによるセグンデーオ ×:指によるセグンデーオ
以下は、アンセルモ・ロペスに関するドキュメンタリー La Trampa de la Uñaである。